ディスプレイスメント・ハル界のみならずサーフデザイン全般をさらっても似たものを見つけることができないサーフデザイン、ファンタスティック・アシッドのフィッシュ・ハル。
モデル名が持つフィッシュの意味は今では広く知られるFISHではなく、作者トリスタンがこのモデルに与えた自由で活発な動きの魚性とテールのスプリットのコンビネーションにあります。
ですからアシッドのラインナップの中でもスペシャル・ラインに属します。
ライディング感覚もサーファーをとても楽しませてくれるもので、ディスプレイスメント・ハルならではのターンからのリフトや突破力の滑走性と感触と、目を見張るようなポジティブな回転性が融合したものです。
その回転の性格は、動くと言うより、回ると言うべき成分を大小のターンに持ったもので、その回転の行き先の深さも特徴です。
深いスプリットテールはターンにおいては、波側サイド片側の支配性が高まるスモールラウンドテール的な効果を生み、独特なロー・プロファイル・フィンは長いフィンベースのプレーニング性の高さとチップの深いラテラル・フレックスとの組み合わせによって、大変軽く素早く立ち上がるクイックアークは波のハイラインでのカットバックを、またレールを深く使ったボトムのロングターンではロー・プロファイルがサーファーがターンをリリースするまでボトムでの伸びをホールドします。
波のキャッチ・テイクオフの良さ・早さも特長で、ここでもロー・プロファイルフィンのドラッグの小ささが大変効果的に作用しています。
それがこの板のテイクオフがメイクされる前にサーフィンが始まる感覚を生み出してもいます。
こちらの1本は作者トリスタン・モース自身による、オプションのフリードロウ・ペイントアートが描かれています。
トリスタンのアートワークは世界のボードビルダーの間でも注目されていて、ワンオフの充実感も特別です。
7'4" x 22 1/8" x 2 15/16" トリスタン・モース・シェイプ&アートワーク/山王グラス