ナイノア・ピッグ、とても良いコンディションのまま入荷。
ワンオフ製作の１本です。

ナイノアについて説明しなくてはいけませんね。ずいぶん前からの友人であるナイノア君は、サンディエゴはエンシニータスの若手グラッサー。
父親の代からのサーフボード・ビルダーで、ハワイで生まれ子供時代に家族でカリフォルニアに移りました。

早くからサーフボード造りの現場に入りました。
分かってる人は分かる、 "THE HILL" にファクトリーを構えた長老の一人（当時、"ヒル"はそもそも大レジェンドばかりが軒を連ねるファクトリー長屋です）トム・エヴァリーさんのファクトリーで、それこそ大先輩たちに可愛がられながら同世代のビルダーが知ることができない多くの技とノウハウを身に着けました。

ナイノア君、現在は、クリステンソンのムーンライト・グラッシングの合併に併せて、クリステンソンに請われてそちらが主な現場。
ちなみにムーンライトにはゲイリーさんという大ベテランの名グラッサーが新体制後も在籍しますが、ムーンライトのグラッシングの特長はゲイリーさんが牽引してきました。

一方、クリステンソンを始め、エリア周辺から発せられるモダンで個性的なカラー＆デザインワーク、実はかなりのところナイノア君が頼られています。
シンプルなグラスはゲイリーさん、目を惹くデザインはナイノア発みたいな感じ。
ですから、みなさんの目に入るここの周辺から現れる洒落たカラーやデザインのグラスワークがほどこされた板、ナイノア作であることが多い。

そのナイノア君、ごくごくたま〜に、自分のアイデアでワンオフの板をアートワークとして製作します。
このピッグもその１本で、約１０年ほど前の製作で、エムズからお馴染みさんに渡りました。

ナイノアのアートワークとなると周辺のシェイパーさんたちも協力的ですが、この板もとあるご長老のシークレット・シェイプになる１本。
カラー＆グラスワークはすべてナイノア自身の手になり、ご覧の通り技とアイデアはかなり派手にもかかわらず、板全体の見た目はすっきり洒落た仕立てが、さすがナイノア。

デザインとカラーは、クラシックなようでいてモダン。
細部はテクニックの伝統を知ったビルダーのみが持つ技が随所に見られます。パネルもピグメントとティントを使い分けて、樹脂ピンも見事です。

肝心のシェイプは、ソフトでありながら60 / 40 フォイルの扱いやすいレール・フォイルと、ボトムはおだやかなパネルとVEEのコンボ。
フィン・テンプレートはVELZY由来の、"機能する"Dフィンのグラスオン。

デッキの足跡はとても少なく、無傷、ボトムはスーパーストレート！
コンディション最高です。

9'4" x 22 3/4" x 3" ナイノア監修・製作